名古屋地裁で和解が成立しました。

名古屋国際音楽祭での障害者差別を問う裁判について。
本日1月20日 名古屋地方裁判所にて
CBCテレビ名古屋市と和解が成立しました。
和解内容など詳しくは、また改めて公表させていただきます。

以下に原告のコメントを載せておきます。


和解の話が出てきたとき、
最初は判決にこだわる気持ちが強かったです。
しかし、裁判長から原告の主張について全て立証できていると判断できないので、裁判官同士の協議によっては、原告の請求を棄却するとの判断もあり得る、と聞きました。
そのような事になれば、今まで裁判を通じて訴えてきたことが全く無駄になってしまうと思いました。

また、仮に勝訴したとしても、相手方が控訴し裁判がさらに続くと思われました。そんな事を考えると裁判所から出された和解案を受け入れた方が良いと思うようになりました。
それから、裁判所が「今回の裁判の意義は大きい」と認識してくれた事は、私にとって嬉しい事でした。

今後、被告らに望むことは、障がい者に対する差別扱いを絶対にしない、させないでほしいという事です。

この裁判でお世話になった弁護士の榊原先生をはじめ、
裁判書面の点訳を担当してくれた名古屋ライトハウスの皆さま、法廷に傍聴に来てくださったり、電話や手紙で励まして下さった皆様に本当に感謝しています。心からありがとうございました。
また息子家族の協力は本当に心強く助かりました。 

以上。
          

名古屋地裁に提訴しました

2018年7月の名古屋国際音楽祭で全盲の母が受けた障害者差別、
障害者差別解消法に違反する対応について、
12月13日、主催者の名古屋市と株式会社CBCテレビを相手方として、
名古屋地方裁判所に提訴しました。
第1回期日 平成31年1月31日 10時30分。

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11月12日に名古屋市障害者差別相談センターの立会のもと、
主催者の名古屋市CBCテレビと協議の場を持ちました。
母と私は、直接話せば、障害者差別や差別解消法違反を認めない主催者側の認識も変わるかも
知れないと思い出席しました。

しかし、協議の場でも主催者側は、
「最後部端の席へ座らせたのは、係員がきちんと説明し母の了承を得た上のことであり、
差別解消法に違反しない、障害者差別ではない。」
という認識でした。
母は事前に説明を受けもいないし、ましてや了承などしていません。

またCBCテレビは、最後部の端の席に座らされた母に、「本来の席に案内しましょうか?」と
声をかけ聞いた、と言いました。

あまりに事実と違うので78歳の母も、
「どうしてそのようなことを言われるか不思議。そう聞かれていれば『そうしてください』と答えていた」
と精いっぱいの発言をしました。

私も改めて、主催者側の7名に、「今回の件が障害者差別と思うか?」と質問しました。
しかし、「法に照らして不適切」というばかりでした。
特に、名古屋市側の出席者は質問にも答えず、まるで他人事と思っているような態度で、
当事者意識に欠けているように感じました。

以上のように協議は終了し、重苦しい気持ちだけが残りました。
名古屋市の対応も河村市長が決めたことと聞かされ、これ以上の
話し合いは不可能と思いました。

その後に主催者側から当方に届いた、主催者側の主張が書かれた書面で、

車椅子に乗る際に声かけなど無かったことも、
母が自分の購入した席への移動を何度か懇願したことさえ、否定しています。
5,000円程度追加で払えば他の席に移動出来ると言われた事も否定し、
更には母の方から他に空いている席はないかと質問があったとまで言うのです。
車椅子から降りる際にブレーキがかかっておらず、転倒しそうになったことも、
母が勝手に突然立ち上がったために、転倒しそうになったことにされていました。
両肩をつかみ後ろから押して歩いたことも、「手を差し伸べて」案内したと言い換え、
なぜ、そのような話になってしまうのか、と思います。
証拠が無いのをいいことに全て否定されました。

このような主張を展開する相手方から「謝罪したい」と言われて、謝罪を受け入れる
人はいるでしょうか?

なぜ主催者側はこれほど、障害者差別と障害者差別解消法違反を
認めたくないのでしょうか?謙虚に認めることが、再発防止に繋がっていくのではないでしょうか?

名古屋市CBCテレビは、謙虚に非を認めてほしかったです。

母も私も本当に悩んだ末に提訴に踏みきりました。
書ききれない様々な気持ちもあります。

しかし、
なぜここまでしないといけないのか、訴訟まで起こさないといけないのでしょうか。

健康な人でも、明日自分が不自由な身体になるかもしれません。
この裁判を通じて1人でも多くの人が障害者差別に関心を持ち、障害者差別が少しでも減る事、障害者差別解消法が遵守される事を願っています。